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2008/01/20

ウイリアム・エグルストンの写真集。 

7s_035

たぶん自分が中学生の頃、
自宅の居間で、なにかのテレビ番組を見ていたときだった。
画面には、アメリカの、砂漠のような場所に
ずっと続いている道路が映っていた。
人気のないその風景が、
なんだかすごく怖いものに見えたのだ。
番組そのものは恐い内容ではなく、
映っている風景そのものに、
なにか心臓を逆手でなでられるような感覚を覚えたのである。
そんなことは初めてだったので、
つい、いっしょにテレビを見ていた兄に
「この風景、なんだか怖いんだけどなんでだろう」と
聞いたのだった。兄は少し考えたあと
「水平線までみえるような、
なにもない広がりが怖いんじゃないのか」と言い、
2歳年上の兄のその意見に、
そうか何も無いって怖いことなんだな、
と妙に納得したのである。

このウイリアム・エグルストンの写真集を見ていると
その中学生の時の感覚が蘇ってくる。
アメリカの、南部といわれるあたりの風景には
なにか他の国・場所にはない雰囲気があるような気がする。
実際に水平線が見えるかどうかではなく、
水平線まで見渡せてしまいそうな感覚、
ひろがりの空間感とでも言えばいいか。
中学生の自分が「怖い」と感じたそのものは、
いまなら寂寥感とでも言えば
もっとニュアンスが近いものなのかもしれない。

不思議なのは、その寂寥感のようなものが
けして不快というわけではないことだ。
その風景内にあるものの存在の希薄さというか、
それら個別の存在のちっぽけさ加減に気づかせられた諦観が、
心地悪くはない、というか。

そんなことを、
このウイリアム・エグルストンの写真を見ると
思うのだった。

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