山の上ホテル物語。
正直言ってこの歳になっても
ホテルにはいまひとつ慣れることができない。
とくにチェックインの後
部屋までボーイが荷物を運んでくれるようなところは
国内外を問わず、苦手だなあ。
サービス慣れしてないわけである。
肩がこるのである。
そのくせ、ホテルの
バックストーリーのようなものには興味があって、
この本もそんなことから手にとってみたのだった。
山の上ホテルといえば、
作家が缶詰になるホテルとして有名で、
そのホスピタリティゆえに
ちいさいけれど独特の存在感のあるホテルである。
それはやはり経営者の個性ゆえであったことが
この本を読むとよくわかる。
外観のレトロな雰囲気もあり、
古き良き日本のホテルという感じだ。
池波正太郎がよく利用していたようで
その理由のひとつは、家族に楽をさせるためなのだそうだ。
それは自分がホテルに缶詰になることで、
家族に気を使わせなくて済むということのようだ。
作家という職業もたいへんだな、と妙なところで感心した。
そういえば、いままでで
自分が滞在した一番豪華なホテル(部屋)は
バリのインペリアルホテルである。
コテージタイプの部屋をホテル指定で申し込んだにもかかわらず、
ダブルブッキングかなにかで、
現地についてからホテル変更を伝えられたのであった。
その変更先がインペリアルホテルだったのである。
この変更が、飛行機でいえばエコノミーから
ビジネスへのアップグレードのようなもので、
そのコテージに案内されてびっくり。
コテージではなく一軒家。しかもプライベートプール付き。
リビングルーム、ベッドルーム、バスルーム、キッチン。
自宅の2倍はあった…。
その広さは持て余すほどであった。
いや持て余したのである。
しみじみ自分のことを貧乏臭いと思った。

